パートDHこんにちは。歯科衛生士歴15年以上のパートDHです。
若い頃の自分と、今の歯科衛生士の働き方を比べながらお話ししていきますね。
歯科衛生士は、国家資格を持つ「口の健康を守る専門職」です。
虫歯や歯周病を「治す」よりも、「悪くならないように防ぐ」ことが仕事の中心。
歯科医師の指導のもとで、患者さんの口の中を清潔に保ち、健康を支える役割を担っています。
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歯科衛生士の資格とは
歯科衛生士の資格は国家資格です。
高校卒業後、①歯科衛生士養成機関で知識と技術を学びます。
卒業が認められると、②歯科衛生士国家試験の受験資格を得ることができます。
試験に合格し、③歯科衛生士免許を取得すると、晴れて歯科医院などで歯科衛生士として働くことができるようになります。
①歯科衛生士養成機関
医療・教育・研究の分野まで幅広く学べる。
大学卒業と同時に「学士(歯学)などの学位も取得でき、将来的に教育機関で教える立場を目指す人にも向いている。
専門学校よりも理論的・学問的な面が多く、医療従事者としての視野を広げたい人にオススメ。
実践的な授業と国家試験対策のバランスが取れている。
臨床実習が多く、即戦力を意識したカリキュラムになっている。
一般教養科目も含まれるため、社会人としての基礎力も身につく。
もっとも多い進学先。
実習中心で、現場に近い形で学べるのが最大のメリット。
講師の先生が現役の歯科医師や歯科衛生士であることも多く、
すぐに現場で役立つスキルを習得できる。
4年生の学科もあり、より高度な専門性を見つけることも可能。



大学や短大でも資格が取れるって、数年前に知ってびっくりしました。
私のときは専門学校が2年制だったのに、今は3年なんですね。
あの頃の詰め込み具合を思い出すと、3年以上にするのは大賛成です!
②歯科衛生士国家試験の受験資格
歯科衛生士養成課程では、法律で定められた93単位(2,570時間以上)の学修が必要です。
そのうち、臨床実習は20単位(約900時間)とされており、在学中から実際の歯科医院や病院での実習を通して、現場の知識と技術を身につけていきます。
60〜70単位(約2000時間前後)が基準だったとされています。
臨床実習もおよそ600〜700時間程度。
実際は学校によって違いがあり、「2年間で3年分詰め込む」ようなカリキュラムのところも多かったそうです。



国家試験を受けるためには、指定の養成機関で必要な単位を修得することが条件です。
つまり、独学では受験できません。
今では歯科衛生士という職業は広く知られていて、多くの歯科医院に歯科衛生士が勤務していると思います。
けれど、私が高校生だった30年以上前は、「歯科衛生士」という職業自体を知りませんでした。
当時は、歯科医院のスタッフも歯科助手さんが中心で、国家資格を持つ歯科衛生士よりも助手さんのほうが多かった印象があります。
私が最初に勤めた歯科医院にも、3人の助手さんが在籍していました。
その医院では、法的な規制が少しずつ厳しくなってきたことをきっかけに、私が入社する数年前から歯科衛生士の採用を始めたそうです。
今では歯科衛生士の業務範囲が法律で明確に定められ、「歯科医師の指導のもとで行う診療補助」や「予防処置」「保健指導」など、専門的な仕事として確立されています。
ですが、昔は今ほど制度が整っておらず、一部では助手さんが歯科衛生士に近い業務を行っていた時代もありました。
③歯科衛生士免許
国家試験に合格し、厚生労働大臣から歯科衛生士免許を受けることで、はじめて歯科衛生士として業務を行うことができます。
歯科衛生士国家試験は、毎年3月初旬の日曜日に実施され、合格発表は3月下旬に行われます。
2026年度(第35回)の予定は以下のとおりです。
- 試験日:2026年3月1日(日)
- 合格発表:2026年3月26日(木)
合格率は例年90%以上と高く、養成機関でしっかり学べば合格が十分に狙える試験です。
試験に合格しても、免許証が手元に届くまでは「歯科衛生士」として働くことは出来ません。
免許証の交付をもって、正式に歯科衛生士として認められます。
そのため、多くの新卒さんは免許が届くまでの間、歯科助手として勤務しながら医院の流れや業務を学びます。
この期間に、診療補助の動きや患者さんとの関わり方を覚えるのが現場では一般的です。



この時期にしっかり勤務先の業務を覚えることをオススメします!
歯科衛生士の仕事内容
前述にもあるように、主に3つに分けられます。
①歯科医師の指導のもとでの行う診療補助
②虫歯や歯周病防ぐための予防処置
③患者さん自身がお口の健康を保てるように支援する保健指導
それぞれについて、もう少し詳しく説明していきます。
①歯科医師の指導のもとで行う診療補助
- 診療の準備と片付け
- 使用器具の洗浄・滅菌・セッティング
- 患者さんの誘導や体調確認
- 歯科医師の診療中のサポート(ライト調整・器具の受け渡し・唾液を吸い取る作業など)
- 印象(型取り)や仮封など、指示のもとで行う簡易的な補助
- レントゲン撮影時の介助
- 診療記録やカルテの入力補助
- 治療内容や次回来院の説明など、患者さんへのフォロー
②予防処置
- 歯周病の検査
歯ぐきの状態や、歯を支えている骨の健康を調べる検査です。
歯周ポケットの確認・歯の動揺度の確認・プラーク(歯垢)付着量の確認・出血の確認 - 歯石の除去(スケーリング)
歯や歯ぐきに付着した歯石を専用の器具で取り除き、歯周病を予防します。 - 歯面清掃(PMTC)
歯科衛生士が専用の機械やペーストを使って歯の表面をきれいに磨き上げます。
ご自宅でのブラッシングでは落とせない汚れを除去できます。 - SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
歯ぐきの中の歯石や汚れを取り除き、根の表面をなめらかにして炎症を改善します。
歯周病の進行を防ぐ大切なケアです。 - フッ素塗布
虫歯予防のために歯の表面にフッ素を塗り、歯質を強化します。
特にお子さんや再石灰化を促したい方に効果的です。 - シーラント処置
奥歯の溝に樹脂を埋めて、虫歯菌が入り込まないように保護します(主に小児向け)。 - 歯周ポケット内の清掃
歯ぐきの中(歯周ポケット)に溜まった汚れを丁寧に取り除きます。 - 染め出し・ブラッシング指導との連携
プラーク(歯垢)を染め出して磨き残しを確認し、
その後の指導につなげることもあります。
③保健指導
- ブラッシング指導(TBI)
歯磨きの癖や磨き残しをチェックし、患者さんに合った磨き方を提案します。 - デンタルフロス・歯間ブラシの使い方
歯と歯の間のケア方法を説明し、サイズや頻度もアドバイスします。 - 口腔清掃用具の選び方
歯ブラシ・歯間ブラシ・舌ブラシなど、ライフスタイルに合った道具を提案します。 - 食生活・間食指導
虫歯や歯周病のリスクを高める食習慣を一緒に見直します。 - 生活習慣のアドバイス
喫煙、ストレス、睡眠不足など、口の健康に関係する生活面をサポートします。 - 定期検診・メインテナンスの重要性
お口のトラブルを防ぐために、定期的な来院の大切さを伝えます。 - セルフケアの継続サポート
「正しい方法」だけでなく、「無理なく続けられる方法」を一緒に考えます。



一般的なことを挙げましたが、
みなさんそれぞれ生活環境も違えば、お口の状態も違います。
少しでも参考になるように、できるだけその方に合ったアドバイスを心がけています。
歯科衛生士の1日の流れ【9:30 診療開始の場合】
- 8:40 出勤
更衣室で着替えを済ませたあと、院内の空気を入れ替えたり、
診療で使用する電化製品(ユニット、滅菌器、パソコンなど)の電源を入れておきます。 - 9:00 朝礼
スタッフ全員で患者さんの予約状況や申し送り事項を共有します。 - 9:15 診療準備
ドクターのアシストにつく準備、カルテや器具のセッティングなど。 - 9:30 診療開始
午前の診療スタート - 12:30 休憩
昼休み(スタッフ同士で話をしたり1人でのんびりするのもヨシ!) - 14:00 診療開始
午後の診療スタート - 18:30 診療終了
片付け - 19:00 退勤
1日お疲れ様でした!



医院によって診療時間など異なることはありますが、だいたいこんな感じのスケジュールです。
1日があっという間に過ぎます!
まとめ(パート歯科衛生士としてのリアル)
パート勤務の歯科衛生士は、限られた時間の中で
診療補助・予防処置・保健指導をこなしながら、
家庭との両立にも日々奮闘しています。
勤務時間は短くても、医院にとっては欠かせない存在だと自負しています。
朝の準備や片付け、院内の清掃、資料づくりなど、自分にできることを見つけて丁寧に取り組むことを心がけています。
医療現場での役割は小さく見えても、一人ひとりの患者さんの笑顔を支える力は確かにある。
それが歯科衛生士という仕事のやりがいであり、誇りだと思います。



歯科衛生士の資格に、私自身が日々助けられています。
これからも、この仕事を通して誰かの力になれたらうれしいです。
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