パートDHこんにちは、歯科衛生士歴15年以上のパートDHです。
先日、職場の若いスタッフと学校の話になりました。
「学費が高くて、奨学金を借りたんです」
そう聞いて、「もっと安い学校もあったかもよ」と言ったら、そもそも知らなかったそうです。
実は、歯科衛生士の学校は、どこを選ぶかで学費が100万円以上変わることがあります。
受験シーズンなので、これから学校を選ぶ高校生と保護者の方に向けて、学費の安い学校を調べてみました。


歯科衛生士になるには、3年以上学校に通う
歯科衛生士は国家資格です。国家試験を受けるには、専門学校・短大・大学のどれかで3年以上学ぶ必要があります。
私はずっと、専門学校は大学よりおサイフに優しいと思っていました。
でも調べてみると、私立の専門学校は3年間で300万円前後かかるところもあり、4年制の国立大学と同じくらいでした。
| 学校の種類 | 期間 | 学費の目安 |
|---|---|---|
| 公立の専門学校・短大 | 3年 | 総額 約80〜170万円(今回調べた8校) |
| 国立大学 | 4年 | 学校に払うお金 約243万円(入学金28.2万円+授業料53.58万円×4年) |
| 私立の専門学校 | 3年 | 総額 約250〜300万円前後(東京の例) |
※国立大学は文部科学省の標準額で計算しています。大学によっては、これより高く設定しているところもあります。
学費の差は、「専門学校か大学か」だけでは決まらないんですね。



同じ資格なのに、そんなに違うの?



ゴールは同じです。どの学校でも、単位を取って国家試験に受かれば歯科衛生士になれます
公立の歯科衛生士学校は全国に8校(3年制)
全国歯科衛生士教育協議会の養成校一覧で「公立」になっている3年制の学校は、8校ありました。
学費を公式サイトや募集要項で調べて、3年間の総額の目安が安い順に並べています。学校名を押すと、各校の公式ページが開きます。
| 学校 | 場所 | 入学金 | 授業料(年) | 3年間の総額の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 岐阜県立衛生専門学校 | 岐阜県岐阜市 | 7,300円 | 140,400円 | 約82〜87万円 |
| 兵庫県立総合衛生学院 | 兵庫県神戸市 | 17,000円 | 207,000円 | 約113万円 |
| 鳥取県立歯科衛生専門学校 | 鳥取県鳥取市 | 5,550円 | 262,800円 | 約120万円 |
| 栃木県立衛生福祉大学校 | 栃木県宇都宮市 | 10,000円 | 212,400円 | 約121万円 |
| 長野県公衆衛生専門学校 | 長野県伊那市 | 24,000円 | 166,800円 | 約122万円 |
| 三重県立公衆衛生学院 | 三重県津市 | 20,000円 | 192,000円 | 約135万円 |
| 滋賀県立総合保健専門学校 | 滋賀県守山市 | 56,400円 | 390,000円 | 約158万円 |
| 静岡県立大学短期大学部 | 静岡県静岡市 | 84,600円 | 390,000円 | 約164〜169万円 |
※2026年10月時点で、各校の公式サイト・募集要項から調べた金額です。最新の金額は必ず各校の募集要項で確認してください。
※入学金は県内に住んでいる人の金額です。兵庫・三重・滋賀・静岡は、県外の人は入学金が高くなります。
※総額の目安には、教科書・教材・実習器具・ユニフォームなどを含みます。交通費や国家試験の受験料は含みません。学校ごとに含まれる項目が少しずつ違うので、あくまで目安です。



いちばん安いところは、3年間で100万円かからないの!?



授業料は1年で14万円ほどです。私もびっくりしました
「授業料」だけで比べないで
学校を比べるときに気をつけたいのが、授業料以外のお金です。
たとえば三重県立公衆衛生学院は、授業料だけなら年19万円ほどで、栃木より安いくらいです。
でも、教科書や実習器具、後援会費などが3年間で約75万円かかるので、総額では表の6番目になります。
学費を調べるときは、「授業料」だけでなく「3年間でいくらかかるか」を見てください。
私が通った学校の場合
実は最初は、学費の安い栃木県立衛生福祉大学校に行こうと思っていました。でも定員が少なくて倍率が高かったので、宇都宮市立歯科衛生士専門学校を選びました。今は「宇都宮歯科衛生士専門学校」という名前で、宇都宮市医療保健事業団が運営しています。
私が通っていた頃は、まだ2年制でした。学費は2年間で100万円くらいだったと記憶しています。実家から通っていたので、仕送りもかかりませんでした。



今は3年制なんだね



2010年からは、どの学校も3年以上になりました。学ぶ期間が1年増えた分、学費も上がっています
では、今はいくらかかるのか。母校の今の学費を調べてみました。
| 項目 | 1年次 | 2年次 | 3年次 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 入学金 | 100,000円 | ー | ー | 100,000円 |
| 授業料 | 375,000円 | 375,000円 | 375,000円 | 1,125,000円 |
| 実習費 | 150,000円 | 170,000円 | 170,000円 | 490,000円 |
| 教科書・器材など | 約25万円 | 約3万円 | 約3万円 | 約31万円 |
| 合計 | 約203万円 |
※宇都宮歯科衛生士専門学校の公式サイトより(2026年10月時点)
授業料のほかに、実習費や教科書代がこれだけかかります。学費は「授業料」だけでは決まらない、というのがよくわかると思います。
関東で歯科医師会が運営している学校の中では、宇都宮がいちばん安いという結果でした。
| 学校 | 3年間の総額の目安 |
|---|---|
| 宇都宮歯科衛生士専門学校(栃木) | 約203万円 |
| 群馬県高等歯科衛生士学院 | 約232〜234万円 |
| 茨城歯科専門学校 | 約271万円 |
| 大宮歯科衛生士専門学校(埼玉) | 約287万円 |
学費以外に考えておきたいこと
推薦入試には「地元」の条件があることが多い
公立の学校は、推薦入試に「県内の高校を卒業見込み」「卒業後は県内で働く」といった条件があることがほとんどです。
一般入試は、住んでいる場所の条件がない学校が多いです。県外から受けたい場合は、一般入試の情報を確認してください。
定員が少ない
公立の学校は、1学年20〜40人ほどです。学費が安い分、人気も高めです。
私も学費の安さで栃木県立衛生福祉大学校を考えましたが、倍率が高くて別の学校を選びました。公立を目指す場合は、併願する学校も一緒に考えておくと安心です。
家から通えるか
学費が安くても、一人暮らしをすると家賃や生活費がかかります。家から通える学校と、学費の安い遠くの学校を比べるときは、生活費まで含めて考えてみてください。
私は実家から通えたので、学費以外のお金はほとんどかかりませんでした。「学費の安さ」と「家から通えるか」は、セットで考えるのがおすすめです。
受験のスケジュール
たとえば栃木県立衛生福祉大学校の一般選抜は、出願期間が2026年11月20日〜12月11日です。気になる学校があれば、早めに募集要項を確認しておきましょう。
学費の負担を減らせる制度
国の「高等教育の修学支援新制度」
今回調べた学校の多くが、国の「高等教育の修学支援新制度」の対象になっています。家庭の収入などの条件を満たすと、授業料や入学金が減額され、返さなくていい奨学金(給付型奨学金)も受けられます。
2025年4月からは、子どもが3人以上いる家庭は、収入に関係なく授業料などが国の上限額まで減額されるようになりました。
日本学生支援機構の奨学金
給付型(返さなくていい)と貸与型(返す必要がある)があります。申し込みの時期や条件は、日本学生支援機構の奨学金のページで確認できます。
貸与型のうち、利息がつくタイプ(第二種)は、卒業するときに利率が決まり、新社会人として働き始めた年の秋ごろから返済が始まります。国家試験に受かって、やっと歯科衛生士として働き始めたところで、毎月の返済もスタートするということです。
利息は卒業した翌月からつきます。2026年度の利率は、ずっと同じ利率で返す方式で年2.7〜3.0%ほどでした(上限は年3.0%)。借りる額が大きいほど、利息の負担も大きくなります。
借りる場合は、総額と毎月の返済額、何年かけて返すのかを、借りる前によく確認してください。



働き始めてから返済に追われるより、学校をきちんと選んで、借りる金額そのものを減らすほうがかしこいと思います
学校のホームページで確認しておきたいこと
給付型の奨学金と授業料の減額は、国が認めた「対象校」でしか受けられません。
気になる学校が見つかったら、学校のホームページの「学費・奨学金」のページで、次の3つを確認しておきましょう。
- 国の「高等教育の修学支援新制度」の対象校か(「機関要件確認校」などと書かれています)
- 県や学校独自の減免・奨学金があるか
- 奨学金の申し込み時期(高校3年生のうちに申し込める「予約採用」もあります)
たとえば栃木県立衛生福祉大学校は、国の制度の対象校であることに加えて、県独自の授業料減免も紹介しています。学校のページには、ほかでは見つからない情報が載っていることもあります。
社会人から目指す方へ
一度働いてから歯科衛生士を目指す方は、雇用保険の「専門実践教育訓練給付金」で、学費の最大8割が戻ってくる場合があります。詳しくは社会人から歯科衛生士を目指す方向けの記事にまとめています。
まとめ|「知っていれば選べた」をなくしたい
- 歯科衛生士の学校は、選び方で学費が100万円以上変わることがある
- 公立の3年制は全国に8校。総額の目安は約82〜169万円
- 比べるときは授業料だけでなく、3年間の総額で見る
- 推薦入試の地元条件、通学か一人暮らしかも合わせて考える
- 修学支援新制度などで、負担を減らせる場合もある
職場のスタッフの「知らなかった」という言葉が、この記事を書くきっかけになりました。
これから歯科衛生士を目指す方が、学費のことで後悔しない学校選びができますように。
参考にしたページ

