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パートDHこんにちは、歯科衛生士歴15年以上のパートDHです。
クリーニングのときに「フロスは使っていますか?」とお聞きすると、返ってくる答えはだいたいこうです。
「やったほうがいいのは分かってるんですけど…」
そうなんです。フロスが大事なことは、みなさんもう知っています。
それでも続かないのは、やる気の問題ではなく、単純にやりにくいからだと私は思っています。
今回は、現場で感じている「続かない理由」と、少しでもラクに続けるためのコツをまとめてみます。


フロスが予防につながるのはなぜ?
歯ブラシの毛先は、歯と歯の間にはなかなか届きません。
どんなに丁寧に磨いても、歯と歯の間には汚れ(プラーク)が残りやすく、そこがむし歯や歯周病のスタート地点になりがちです。
その「歯ブラシが届かない場所」を担当するのがフロスです。



歯ブラシだけじゃ足りないの?



歯と歯の間は、歯ブラシとは別の道具が必要なんです
「フロスが続かない」よくある理由
患者さんからよく聞くのは、こんな声です。
- 歯と歯の間に入らない
- 指に巻くのが難しい、奥歯に届かない
- 引っかかって切れる
- 面倒で、つい後回しになる
特に多いのが「入らなくてあきらめた」というパターンです。
最初の1回でうまくいかないと、そのまま引き出しの奥にしまわれてしまうんですよね。
やりにくさを解消するフロスの選び方
入らない人は、まずワックスタイプから
フロスには、糸にワックス(ろう)がついたワックスタイプと、ついていないノンワックスタイプがあります。
| ワックスタイプ | ノンワックスタイプ | |
|---|---|---|
| すべり | 良い。歯の間に入れやすい | 引っかかりやすい |
| ほつれ・切れ | 少ない | ほつれやすい |
| 汚れの取れ方 | 取れる | 糸が広がって、からめ取りやすい |
実は、私が患者さんにおすすめしているのはノンワックスタイプです。汚れをからめ取りやすいからです。
でも正直に言うと、使いにくいのも確かです。入らなくて挫折する方はたくさんいると思います。
なので、これから始める方には、こうお伝えしたいです。



まずはワックスタイプで慣れる
↓
慣れてきたらノンワックスタイプに挑戦
この順番で大丈夫です
使わないノンワックスより、毎日使うワックスのほうがずっと良いです。
ちなみに、ホワイトエッセンスのフロスはワックスタイプです。入れるときは入れやすく、糸がふくらむので汚れをからめ取りやすいです。
私がずっと使ってきたのは、ルシェロのフロス(ミントワックス付き)です。若い方など、歯周病がなく歯と歯の間がせまい方には使いやすいと思います。
ワックスタイプに慣れてきたら、ノンワックスタイプも試してみてください。
入れにくさがあるのでハードルは高めです。ただ、歯周病が進みつつある方は歯と歯の間も空いてくるので、ノンワックスタイプのほうが汚れを取ってくれます。
ホルダータイプは、詰め物・被せ物がある人は注意
持ち手のついたホルダータイプ(いわゆる糸ようじ)は、手軽で始めやすい道具です。
ただ、詰め物や被せ物がある方は少し注意が必要です。糸が引っかかったまま上に引き抜くと、詰め物が外れたり、欠けたりすることがあります。
実は私も、フロスで被せ物が欠けてしまったことがあります。
引っかかりを感じる所がある方は、無理に引き抜かず、歯科医院で相談してみてください。詰め物の段差やむし歯が隠れていることもあります。
歯と歯の間が広い人は、歯間ブラシも
歯ぐきが下がって歯と歯の間にすき間がある方は、フロスより歯間ブラシのほうが合うこともあります。
サイズ選びが大事なので、これも歯科医院で見てもらうのが確実です。
ブリッジや矯正中で、上から入らない人は専用のフロスを
ブリッジや連結した被せ物、矯正の装置がある所は、フロスを上から通すことができません。
そんな方に向いているのが、プロキシソフトの3in1フロスです。
- 先端の青い部分は固くなっているので、つながっている所の下に通す
- ふわふわの部分で汚れを落とす
- そのまま引き抜く
青い部分と反対側の白い部分は、ノンワックスタイプのフロスになっています。少し長めで使いづらいかもしれませんが、通常のフロスとしても使えます。
歯科衛生士が教える、フロスの使い方のコツ
コツ1:抜くときは「上」ではなく「横」に
糸巻きタイプのフロスなら、通し終わったあと、片方の指から糸を離して横にスーッと引き抜くことができます。
これには良いことが2つあります。
- 詰め物・被せ物に引っかかりにくい
- 歯と歯の間に詰まっていた汚れが、糸にくっついて出てくる


2つめは、私自身も最近ようやく気づいたことです。



うわ、こんなに取れるの!?



目に見えると「やってよかった」って思えますよね
コツ2:汚れがついてきたら、同じところを2〜3回
横に引き抜いて汚れがついてきたら、そこはまだ汚れが残っているサインです。
糸のきれいな部分にずらして、同じところをもう2〜3回通してみてください。
コツ3:最初から全部やろうとしない
患者さんには「できれば夜寝る前に、毎日続けてください」とお伝えしています。
寝ている間は唾液が減って、お口の中の菌が増えやすい時間帯だからです。
ただ、最初から毎日、全部の歯にやろうとすると続きません。
- まずは気になる所だけ、前歯だけでもOK
- やるタイミングは、夜寝る前がおすすめ
- 歯みがきとセットにして、置き場所も歯ブラシの隣に
コツ4:順番は「歯ブラシ → フロス → 歯みがき粉」
慣れてきたら、順番も意識してみてください。本来のおすすめは、この流れです。
- 歯ブラシで全体の汚れを落とす
- フロスで歯と歯の間の汚れを落とす
- 汚れがなくなったところで、歯みがき粉をつけて仕上げる
汚れが残ったままだと、歯みがき粉の成分が歯と歯の間まで届きにくくなります。
先に汚れを落としておくことで、成分が行き渡りやすくなります。



「汚れを落とす」→「成分を届ける」
この順番がポイントです
最初は血が出ることもあります
フロスを始めたばかりの頃は、歯ぐきから血が出ることがあります。
多くの場合、歯ぐきに炎症があるサインで、汚れを落として炎症が落ち着いてくると出血も減っていきます。
ただし、痛みや腫れが強いとき、しばらく続けても出血がおさまらないときは、自己判断せずに歯科医院で診てもらってください。
自分に合うケアは、歯科医院で聞くのがいちばん早い
フロスの太さ、歯間ブラシのサイズ、動かし方。合うものは、お口の状態によって一人ひとり違います。
定期検診やクリーニングのときに「フロスがうまくできなくて」と言ってもらえれば、歯科衛生士は喜んで一緒に練習します。



「できていない」と言ってもらえるほうが、こちらもお手伝いしやすいんです
それに、毎日完璧にできなくても大丈夫です。落としきれなかった汚れは、定期的なクリーニングで補えます。
まとめ|完璧より「続けられること」
- フロスが続かないのは、やる気ではなく「やりにくさ」が原因のことが多い
- 入らない人は、まずワックスタイプから
- 詰め物・被せ物がある人は、ホルダータイプの引き抜き方に注意
- 抜くときは横に。汚れがついてきたら同じところを2〜3回
- 最初は「できる所だけ」で十分
- 慣れてきたら「歯ブラシ → フロス → 歯みがき粉」の順番で
健康はお口から。
今日の夜、1か所だけでもフロスを通してみてください。

